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COLUMN 6

東京法務少年支援センターの取組み
—地域の非行・犯罪の防止と青少年の健全育成のために—

東京少年鑑別所(東京法務少年支援センター) 地域非行防止調整官 丸山 小竹

 平成27 年6月以降、少年鑑別所は、「法務少年支援センター」という名称で、非行・犯罪に関する問題や、思春期の子どもの行動理解などに関する専門的な知識やノウハウを活用し、問題を抱える御本人や御家族や、関係機関・団体の方の御依頼に応じて、様々な取組・支援など(「地域援助」と呼びます。)を行っています。
 「法務少年支援センター」は、全国52 か所にあり、東京都には「東京法務少年支援センター(練馬区)」と「東京西法務少年支援センター(昭島市)」の2か所あります。
 また、東京法務少年支援センターは、「ねりま青少年心理相談室」(練馬区)と「サテライト相談室」(葛飾区)の2つの相談室を設置し、心理学や教育学等を専門とし、東京少年鑑別所で法務技官(心理)や法務教官として勤務している職員が御相談等に応じています。

1 東京法務少年支援センターの概要
(1)援助等の対象者
 未成年に限らず、成人の方の御相談等に応じています。また、お困りの御本人だけでなく、御本人を支えている御家族や支援されている方など、幅広くお受けしています。
(2)援助等の方法
 援助等の方法には、①心理的援助(カウンセリング)、②助言や情報提供、③各種調査(能力・性格等)、④ワークブックの実施(交友、ルール、窃盗、暴力、性、薬物)、⑤事例検討会への参加、⑥保護者、職員等を対象にした講演・研修、生徒・児童等を対象にした法教育授業への講師派遣、⑦その他必要な援助があります。
(3)依頼・援助等の手段
 依頼の方法には、①電話、②面談、③メール(受付のみ)、④ Web 会議システム(オンライン相談)があります。お気軽にお問い合わせください。
(4)関係機関・団体との連携の具体例
  ア  司法関係:各種調査(能力・性格、認知症検査)、各種ワークブック(暴力、性、薬物等)の実施
  イ  学校等教育関係:暴力の問題等がある児童・生徒に関する事例検討会、職員・保護者向け講・研修(少年鑑別所の機能、少年非行の現状、非行に至る心理メカニズムとその対応、思春期の子どもへの接し方等)、児童・生徒向け出前授業(SNS・ネットゲームの適切な使い方、万引き防止、薬物乱用防止等)
  ウ  福祉・保健機関:不良交遊、性的な問題等がある児童・生徒に関する事例検討会

2 最近のトピックス
(1)Web 会議システムの導入
 全国の法務少年支援センターにおいて、Web 会議システムの導入が計画されており、相談、面接や関係機関等との事例検討会議での活用等、利用しやすい環境整備に一層努めています。
(2)学校等教育関係機関との連携の強化
 「生徒指導提要」に法務少年支援センターが外部連携機関として明記され、いじめ問題等、教育関係機関との連携を強化するため、「地域教育支援調整官」のポストが新設されました。
 職員・保護者向け講演・研修のほか、最近は、SNS・ネットゲームの適切な使い方といった児童・生徒向け出前授業の依頼が増えています。暴力等の問題がある児童・生徒に係る問題行動の分析や指導方法等提案等も考えられるところであり、今後、一層の連携強化を図っていきたいと考えています。

落ち着いた雰囲気で御相談いただけます。

(3)サテライト相談室の移転
 サテライト相談室は、令和5年6月、東京拘置所の旧庁舎内に相談室を移転し、開室日がこれまでの週1日から週3日(原則、月・水・金曜日)に増えました。
 東京都内東部地域にお住いの方や関係機関の方を中心に御利用いただければ幸いです。サテライト相談室での相談等の御依頼について、まずは、ねりま青少年心理相談室まで御連絡ください。