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事例 05

進学・就学についての相談

息子(18歳男子少年)は、中学生の時から非行少年の仲間に加わり、高校在学中に傷害事件を起こして少年院に送致され、高校を中退した(現在も少年院入院中)。在院中に教官や保護司から話を聞くうちに、大学進学にも関心が出てきたもよう。しかし、元の高校には戻りたくないし、今からでは遅いのではないかと諦めかけている様子。どこに相談すればいいのか教えて欲しい。

両親

相談内容
息子はどうすれば再度高校に入学したり、その先の大学・専門学校へ進学したりできますか?

支援のポイント

  • 高卒資格取得のための選択肢の理解
  • 各種支援制度の活用

活用できる機関・団体や制度

東京都教育相談センター

子供の教育に関わるさまざまな相談(進路、不登校、いじめ、高校転編入・中途退学等の相談)を受け付け、電話・来所相談等で支援を行う相談機関

相談結果(事例)
  • まずは進路選択にあたってさまざまな相談を受け付けてくれる同センターへの相談を促した。電話で問い合わせたところ、在院中にできること、出院後の選択肢などを教えてくれ、今後の情報取得の助けになるよう、同センターの青少年リスタートプレイスへの登録を案内されたとのこと。
  • 高卒資格の取得には、再び高校に就学して卒業することが必要であるが、それ以外に、高等学校卒業程度認定試験を受験し、高校卒業同等以上の学力があると認定される方法もあると言われた。
  • また家計的な不安についても相談し、奨学金制度の利用や、全日制、定時制以外に通信制高校の案内も受けることができたとのこと。
  • 本人が出院した後の、親としての不安を伝えると、保護者向けの講演会、グループミーティングを案内され、これからも支援してもらえると安堵した様子。
  • 出院後、就学を目指す場合

    通信制高校

    主に自宅などで学習し、定期的にレポートを提出して添削指導を受けスクーリングを行い、テストを受けて単位を修得する高校

    相談結果(事例)

    家計的に全日制、定時制の学費支払いが厳しいということと、本人もアルバイトをして貯金もしたいということで、学費が安く、働く時間がつくりやすい通信制を選択することにした。

    3年程度をかけて生活スタイルを整え、家族で過ごせる時間をとりながら卒業を目指すとのこと。

    高校を卒業

  • 出院後、高卒認定試験の合格を
    目指す場合

    高等学校卒業程度認定試験

    さまざまな理由で高等学校を卒業できなかった人のための制度。合格すれば高校卒業と同程度の学力があると認められ、大学・短大・専門学校の受験資格が得られる。また、高等学校卒業者と同等以上の学力がある者として認定され、就職、資格試験等に活用することができる。ただし、最終学歴は高等学校卒業とはならない。

    相談結果(事例)

    保護者は本人にも家計を支えてほしいと考えているので、在院中から高卒認定試験の合格を目指して勉強することとなった。

    同センターでは相談員が、虐待の頻度や程度だけでなく、日頃の家庭環境や経済状況など、親身になって話を聞いてくれた。子供への直接的な暴力だけでなく、DVは子供にとって心理的虐待にも当たることを教えてもらった。

    出院後は、東京都教育相談センターから試験の案内等を受けながら、通信教育を活用して勉強していくとのこと。

    就学の場合、通信制高校のほか、全日制や定時制の高等学校に復学する選択肢もあります。

    高卒認定試験合格証明書の取得

  • 学費等の経済的支援については奨学金制度

    経済的困難が理由で進学、就学ができない人に対し、貸付もしくは給付により、学費を援助する制度です。

大学・専門学校の受験等